「待ちなさーい!!!」
真昼の大通り、ひったくり犯の乗ったバイクを負って走るヴィーボとシャミー。
「へっへっへっへ、追いつけるものかよ!こちとらバイクに乗ってんだぜ?」
「はぁ、はぁ、はぁ…な、なんて速いの…とても追いつけないわ」
「くっ、どうしたものか…あっ!?」
ふと、何かを思いつくヴィーボ。
「そうだ、いつも肌身離さず持ってる『これ』があったんだ!」
「これ?このポーチがどうかしたのヴィーボさん?」
「ふっふっふっふ、まあ見ていてください!」
ヴィーボが肩から下げているポーチを手に取ると、そのまま空に放り上げる。
そして次に瞬間、ヴィーボの胸の緑色のパーツから光線がポーチめがけて放たれた。
「拡大光線!それー!」
「あっ…ポーチが…」
「あーこれね、宇宙船なんです。わたしのw」
そう、ヴィーボがぶら下げていたのは彼女の専用宇宙船『ヴィーシップ』だったのだ。
普段は縮小させてバッグのようにして持ち歩いているのだという。
「これで追いかけましょ!」
「そうね!」
「ふう、ふう、これで巻いたか?」
「ここまでくればもう見つかりっこないっすね!」
安堵のため息をつくひったくり犯、だが世の中そんなに甘くない!
「見つけた!やっぱり路地裏に隠れてたのね!」
「あっ、ちょっと、ここ上空―」
ヴィーボが言うのも聞かず、シャミーはヴィーシップから飛び降りる!!
「見つけたわよーーーーっ!!」
「「げっ!?」」
二人の頭上に強烈なキック!あれだけの高さからかかと落としを喰らってはひとたまりもない!
「いててて…女王様が降ってきやがった…」
「のんきなこと言ってる場合か!とっととズラかるんだよ!!」
「あっ!この期に及んでまだ逃げる気ね!?」
「待ってシャミーさん!ここはわたしが…」
ヴィーボはヴィーシップを再びポーチサイズに戻し、ペットのフクロウロボ・フゥを連れて地上へ…。
「フゥ!マジックカプセルお願い!」
その合図に呼応するかのように、フゥの腹部からマジックカプセルが生み出される。
そしてヴィーボはポニーテールを外し、カプセルを込めるとトリガーを引く!
「お待たせ!今回のマジックカプセル!それーっ!!」
ヴィーボが発射したマジックカプセルは空中でその姿を変えた!!
「ぎゃあーっ!」
「く、くそう!トリモチだっ!動けん!!」
「すごい!すごいわヴィーボさん!」
「さ、あとは警察に連絡するだけね!」
かくして、駆け付けた警官によりひったくり犯は御用。
バッグは無事おばあさんの元へ届けられましたとさ。
そして…乳製品販売店『ミルキーマジック』の前。
「あれ、ヴィーボちゃんにシャミーさん、随分早かったわね」
「ひったくり犯はどうなったんですか?」
「ええ、今頃は警察に捕まってるはずです。バッグも無事ですわ」
「なあ唯、和美、この人たち結構強いんだな」
「そうね、怪我一つしてないなんて…」
「あーもう、暴れまわったらお腹すいちゃった!シャミーさんも何か頼みませんか?」
「そうね、じゃあソフトクリームをいただきましょうか!」
かくして、女王と王女のコンビネーションで町の平和は守られたのだった。
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リレー小説後半です。
この二人、なかなか強いぞ!w
〇出演
シャミー:http://www.tinami.com/view/894897
ヴィーボ:http://www.tinami.com/view/779638
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