No.899383

本編補足

根曲さん

・必要事項のみ記載。
・グロテスクな描写がございますので18歳未満の方、もしくはそういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。
・グロテスクな描写がございますので18歳未満の方、もしくはそういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。
・心理的嫌悪感を現す描写が多々含まれておりますのでそれういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。
・心理的嫌悪感を現す描写が多々含まれておりますのでそれういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。

2017-03-31 11:29:45 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:385   閲覧ユーザー数:385

クローン販売

C1 販売

C2 詐欺

C3 償い

C4 見せしめ

C1 販売

 

暗黒大陸連邦。ニュークタウン州。ボルチェザーク市。高級ホテルのラージホテルのレストラン、シュルジェンテのビップルーム。グリーンアイス連邦からの移民四世で数名の護衛に囲まれた成金のカルテルザフ・カイザコフの養子のペルテルフ・カイザコフとクローン販売会社テルッツの販売員のジェイム。彼は仕切り板の隙間から、料理がのせられた全裸フグ人の女性をつつく虚ろな目をしたイルカ人の方を見る。

 

ペルテルフ・カイザコフ『ほほう。私の体毛さえあればクローンが作れると…。』

 

ペルテルフ・カイザコフの方を向くジェイム。

 

ジェイム『ええ。むろん。体細胞でもかまいませんが。』

ペルテルフ・カイザコフ『なるほど。あなたも他の業者と同じことを言いますね。』

 

頷くジェイム。

 

ペルテル・カイザコフ『しかし、安いですな。私がこの前取引しようとした業者は、その数倍の額でしたよ。』

 

頷くジェイム。

 

ジェイム『ええ。カイザコフさん。失礼かもしれませんが、あなた方や…以前私が取引した成金と言われる人たちは…。』

 

体を前に出すペルテルフ・カイザコフ。

 

ジェイム『足元を見られやすいんですよ。なんというか隙がある。不得手な知識を詐欺師山師はついてくるでしょう。』

 

頷くペルテルフ・カイザコフ。

 

ペルテルフ・カイザコフ『ほう。確かにそうかもしれませんね。私は不動産の知識については自信のあるほうですが、それ以外の知識はあまりね。知識の無い金を引き出せるところに相場以上の額をふっかけるのは詐欺師の常套手段だ。』

 

頷くジェイム。

 

ジェイム『はい。ですから、我々は適正な値段で、あなた方にクローンを提供するのです。』

 

頷くペルテルフ・カイザコフ。

 

ペルテル・カイザコフ『なるほど。確かにクローン市場はまだ日が浅いですからね。分かりました。テルッツからクローンを購入しましょう。』

 

ジェイムを見つめるペルテルフ・カイザコフ。彼は手を上げる。アタッシュケースを持って来るペルテルフ・カイザコフの部下A。頭を下げ、口角を上げるジェイム。ジェイムを見つめ、口角を上げるペルテル・カイザコフ。

 

C1 販売 END

C2 詐欺

 

暗黒大陸連邦。カリャニア州ゼグント市。駅前の廃ビルのジョルタービルの地下の一室。ソファに座るジェイムと仲間のサグワに女性のアンシェリー。彼らの前に立つ不法移民の女A。サグワは不法移民の女Aに札束を投げる。

 

サグワ『あんたの取り分だ。』

 

不法移民の女は金を受け取り、ジェイム達に背を向けて去って行く。煙草をふかすサグワとジェイム。

 

ジェイム『今回もうまくいったな。』

サグワ『ああ。』

アンシェリー『まったくね。』

 

笑い出す3人。

 

ジェイムは灰皿に煙草を押し付ける。

 

ジェイム『成金ってのは、金はあるくせに安いものを買いたがるからな。けっ。おまけに趣味の悪りいホテルだったぜ。』

サグワ『まあ、そんなもんだろう。今までの奴らもそうだったじゃないか。』

 

灰皿に煙草を押し付けるサグワ。ジェイムの隣に座るアンシェリー。

 

アンシェリー『でも、これだけ騙せるなんて演技力あるのね。ジェイムって。』

 

頭を掻くジェイム。

 

ジェイム『まあな。』

 

笑い出すサグワ。

 

サグワ『一番演技力が上手いのはお前だろ。電話口でコロっと相手を騙しちまう。』

アンシェリー『まあ、それに関してはサグワの方が上手じゃない。私は受付嬢役ばかりだけど、あなたは学者や研究者を装うし、赤ちゃんの手配もする。明日もスカウトの仕事なんでしょ。インテリには見えないけどね。』

サグワ『余計なお世話だ!』

 

大笑いするジェイムにサグワにアンシェリー。

 

ジェイム『まあ、あいつらが成長する頃には俺らはトンズラさ。それに、その方があいつらにとっても幸せだろう。俺達がやってるのは慈善事業だ。そう…慈善事業。』

 

煙草を口に咥えるジェイム。

 

ジェイム『…早くこんな詐欺から足を洗いたいもんだぜ。』

 

ジェイムの方を向くサグワ。

 

サグワ『おいおい。この発案者が何言ってんだよ。』

 

後頭部で手を組み、ソファにもたれかかるジェイム。

 

ジェイム『遅かれ早かれ、足が付く、後1、2年ってとこか。子どもも成長するからな…。』

 

ため息をつくサグワ。

 

サグワ『まあな。』

 

ジェイムとサグワを見つめるアンシェリー。

 

アンシェリー『ねえねえ、この詐欺を辞めたら何する?』

 

顔を見合わせるジェイムとサグワ。

 

ジェイム『何するって…。』

アンシェリー『私は新しい車を買って、大陸横断をしたいな。』

 

アンシェリーを見つめるジェイムとサグワ。

 

ジェイム『お前車好きだもんな~。』

 

煙草をふかすサグワ。

 

サグワ『俺は、海外の孤島でのんびりとバカンスかな。あっちなら貨幣価値も安いし…。』

 

サグワはジェイムの方を向く。

 

サグワ『で、ジェイムはどうすんだよ。』

 

眉を顰めるジェイム。

 

ジェイム『…いや、何も考えてねえよ。…まあ、金ができたら真っ当に就職口でも探すさ。』

 

ジェイムを見つめるアンシェリーとサグワ。

 

C2 詐欺 END

C3 償い

 

朝、暗黒大陸連邦。カリャニア州ゼグント市。安アパートのセブンハイツ206号室。ざわめき。複数のサイレンの音。眼を開くジェイム。

 

ジェイム『…何だこんな時間に…。』

 

ジェイムは眼をこすり、窓の方を向く。窓から見える燃える不法移民の集うスラム街。彼は眼を見開き、ベットから飛び起きて、窓を開ける。サイレンの音が鳴り、建物の窓を開け、スラム街の方を向く人々や外に出てスラム街の方を向く人々。ゆっくりと下を向くジェイム。

 

ジェイム『あ…。』

 

ジェイムはベッドの上の目覚ましの方を向き、暫く見つめた後、部屋から飛び出してスラム街の方へ向かう。

 

 

暗黒大陸連邦。カリャニア州ゼグント市。燃えるスラム街。群がる野次馬を抑えるセグント市の警察官達。煙が上がり、消防車が放水し、消防士たちが消火活動を行う。スラム街に向かって駆けるジェイムを警察官Aが体で止める。

 

警察官A『おい!危ないぞ!!』

 

スラム街を燃やす炎を目に映すジェイム。

 

ジェイム『サグワ、友達が中にいるかもしれないんです!』

 

ジェイムを見つめる警察官A。

 

警察官A『友達?こんな立ち入ったら危ない場所で…。』

 

ジェイムは警察官Aの顔を見つめる。

 

警察官A『さてはお前、ヤクの売人か!』

 

一瞬警察官Aから目をそした後、再び警察官の方を向くジェイム。

 

ジェイム『あ、いえ…いえ。』

 

ジェイムの顔を見つめる警察官A。

 

ジェイム『それが…その…僕の友人が、度胸試しでこのスラム街に行くって。』

 

ジェイムに顔を近づける警察官A。ジェイムは両掌を警察官Aに向けて振る。

 

ジェイム『ぼ、僕は止めたんですけど…。』

 

警察官Aは眉を顰め、燃え盛るスラム街の方を向き舌打ちする。

 

警察官A『…この火の手じゃ絶望的だな…。』

 

眉を顰め、燃え盛るスラム街を見つめるジェイム。

 

 

暗黒大陸連邦。カリャニア州ゼグント市。セブンハイツ206号室。通信機を耳に充てて、部屋を歩き回るジェイム。

 

ジェイム『ああ、サグワとは連絡が取れない。』

 

2、3回頷くジェイム。

 

ジェイム『ああ。分かった。ああ。アジトで落ち合おう。アンシェリー。』

 

通信機のボタンを押し、アパートの窓から焼けただれたスラム街を見つめるジェイム。

 

 

暗黒大陸連邦。カリャニア州ゼグント市。ジョルタービルの地下の一室。扉を開け、ソファに座るジェイム。薄暗い中でジェイムは周りを見回した後、煙草を咥え、火をつける。彼はソファにもたれかかり、天井を見る。

 

ジェイム『ふう…。』

 

煙草を灰皿に押し付けるジェイム。

 

ジェイム『…ここともお別れだな。』

 

ジェイムは下を向く。棚の上のテレビがつき、その光がジェイムの体を照らす。

 

ジェイム『んっ…。』

 

眉を顰め、顔を上げるジェイム。テレビに映るプレハブ小屋の壁に囲まれた部屋にいる椅子に縛り付けられたサグワ。眼を見開くジェイム。サグワはしきりに首を振り、体を動かして抵抗する。

 

ジェイム『えっ、サグワ!どうなってるんだ!えっ…。』

 

周りを見回すジェイム。サグワに向けてマッチが投げ込まれる。悲鳴。テレビの方を向くジェイム。瞬く間に燃えるサグワ。

 

ジェイム『サグ…ひっ!』

 

画面が切り替わり、テレビに映る泣き顔のアンシェリー。

 

ジェイム『…え、アンシェリー。』

アンシェリー『助けて!助けて!誰かーーーっ!』

 

車のサイドガラスからはジョルタービル付近の通りが見える。

 

ジェイム『えっ…。おい、これって…ここじゃねえか。』

 

テレビに近づくジェイム。

 

アンシェリー『いやー。きゃーーーーーーっ!』

 

衝撃音が鳴り響く。周りを見回すジェイム。

 

ジェイム『…な、何だ??』

 

ジェイムはテレビの方を向き、眼を見開く。変形した運転席に潰されたアンシェリーの体から血が滴り落ちる。

 

群衆Aの声『事故だ!』

 

天井の方を向くジェイム。

 

ジェイム『…はは、まさかな。おいおい。何の冗談…。』

 

群衆Bの声『…潰されてやがる。これはもう無理だ。』

 

眉を顰め、立ち上がり部屋から出ていくジェイム。

 

 

暗黒大陸連邦。カリャニア州ゼグント市。ジョルタービルの前に集まる群衆達。ジェイムは人ごみをかき分けて、ジョルタービルの壁に激突したアンシェリーの車を見る。彼の眼に映る変形した運転席から滴り落ちる血、潰されたアンシェリーの体。首を横に振り、2、3歩後退りした後、一目散に駆け出すジェイム。

 

 

暗黒大陸連邦。カリャニア州ゼグント市。セブンハイツ206号室。扉を開け、息切れをしながら眼を閉じて扉に背を当てるジェイム。鈍い音が鳴る。

 

ジェイム『えっ…。』

 

倒れるジェイム。彼の眼に映る黒い革靴。

 

C3 償い END

C4 見せしめ

 

暗黒大陸連邦。ニュークタウン州。ボルチェザーク市。カイザコフの豪邸。手足を縛られ、壁に吊るされるジェイム。かれはゆっくりと眼を開く。ジェイムの方を向くカルテルザフ・カイザコフとその護衛達。

 

カルテルザフ・カイザコフ『…目が覚めましたかな。』

 

カルテルザフ・カイザコフの方を向くジェイム。

 

ジェイム『…あんたはペ、ペルテルフさん…。』

 

青ざめるジェイム。ジェイムを見つめるカルテルザフ・カイザコフ。

 

カルテルザフ・カイザコフ『…お顔の色が変わりましたね。』

 

腰背部で手を組み、歩くカルテルザフ・カイザコフ。眉を顰め、下を向いた後、カルテルザフ・カイザコフの背を見つめるジェイム。

 

ジェイム『…お、俺をどうしようってんだ。』

 

ジェイムの方を向くカルテルザフ・カイザコフ。

 

カルテルザフ・カイザコフ『いやはや、先日は息子がお世話になりました。』

 

瞬きするジェイム。

 

ジェイム『むす…。』

 

部屋の奥の部屋を向くカルテルザフ・カイザコフ。

 

カルテルザフ・カイザコフ『おい。あれを持ってきてくれ。』

 

奥の扉が開き、箱を抱えて出て来るカルテルザフ・カイザコフと瓜二つの養子を持つペルテルフ・カイザコフ。

ジェイムはカルテルザフ・カイザコフとペルテルフ・カイザコフを交互に何回も見る。

 

カルテルザフ・カイザコフ『クローンビジネスを行っている我々としてはこのような品、受け取ることはできませんからねえ。』

 

ジェイム『クローン?あんた、不動産屋じゃ…。』

カルテルザフ・カイザコフ『我々の商売は手広いんですよ。』

 

ペルテルフ・カイザコフを見るカルテルザフ・カイザコフ。

 

カルテルザフ・カイザコフ『いい宣伝になるでしょう。』

 

ペルテルフ・カイザコフを見た後、カルテルザフ・カイザコフを見るジェイム。

 

ジェイム『それじゃ、あんたらまさか…。』

 

ジェイムの前に箱を投げつけるペルテルフ・カイザコフ。箱の蓋が開き、不法移民の赤子の生首がジェイムの眼に映る。

 

ジェイム『ギャッ!』

 

懐から盗聴器を取り出しボタンを押すペルテルフ・カイザコフ。

 

ジェイムの声『成金ってのは、金はあるくせに安いものを買いたがるからな。けっ。おまけに趣味の悪りいホテルだったぜ。』

サグワの声『まあ、そんなもんだろう。今までの奴らもそうだったじゃないか。』

アンシェリーの声『でも、これだけ騙せるなんて演技力あるのね。ジェイムって。』

ジェイムの声『まあな。』

 

サグワの笑い声。

 

サグワの声『一番演技力が上手いのはお前だろ。電話口でコロっと相手を騙しちまう。』

アンシェリーの声『まあ、それに関してはサグワの方が上手じゃない。私は受付嬢役ばかりだけど、あなたは学者や研究者を装うし、赤ちゃんの手配もする。

明日もスカウトの仕事なんでしょ。インテリには見えないけどね。』

サグワの声『余計なお世話だ!』

 

笑い声。

 

ジェイムの声『まあ、あいつらが成長する頃には俺らはトンズラさ。それに、その方があいつらにとっても幸せだろう。俺達がやってるのは慈善事業だ。そう…慈善事業。』

 

体を震わせて下を向くジェイム。

 

カルテルザフ・カイザコフ『正直、我々を馬鹿にしようが、別に構わないんですよ。成金と批判されても、趣味が悪いと馬鹿にされても別に気にはしないんです。ただ、あなたは本国のクローンビジネスの邪魔をした…。あなた方のような詐欺師やその供給源は根絶やしにしなければ本国のクローンブランドに傷がつくのです。』

 

ジェイムは不法移民の赤子の生首を見つめて、つばを飲み込み、カルテルザフ・カイザコフの方を向く。

 

ジェイム『た、助けてくれ!あ、あんたたちには悪い事をした。な、何でもするから!た、助けてくれ。』

 

ジェイムを見つめるカルテルザフ・カイザコフ達。ペルテルフ・カイザコフがカルテルザフ・カイザコフに耳打ちする。2、3回頷くカルテルザフ・カイザコフ。ジェイムはカルテルザフ・カイザコフ達を見つめる。

 

カルテルザフ・カイザコフ『なるほど…。』

 

顎に手を当てるカルテルザフ・カイザコフ。ジェイムはカルテルザフ・カイザコフの方を向く。

 

ジェイム『…助けてくれるのか?』

 

ジェイムの方を向くカルテルザフ・カイザコフ。

 

カルテルザフ・カイザコフ『んっ?ああ、処刑方法についての相談ですよ。今後、あなた方みたいなビジネスを行う輩が出ないように…。』

 

眉を顰めるジェイム。カルテルザフ・カイザコフはジェイムを見つめる。

 

カルテルザフ・カイザコフ『見せしめとして首謀者であるあなたは他のお二方と比べて凄惨に悲惨な姿で処刑されなければならない。お分かりでしょう。今後、こういった詐欺を行えばどういうことになるかということを他の詐欺師達に知らしめるために役立ってもらうのですよ。』

 

首を横に振り、唇を痙攣させるジェイム。微笑みを浮かべジェイムを見つめるカルテルザフ・カイザコフ。

 

ジェイム『あ…あああ…。』

 

ゆっくりとジェイムに近づくカルテルザフ・カイザコフの護衛達。

 

ジェイムの悲鳴。

 

C4 見せしめ END

 

END

 


 
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